
本稿のお話しをいただいたとき「困りごとの解決法」という問いを設定されていらっしゃったので、おそらく当集落ならではの作業上の工夫や圃場・機器への仕掛けや改変といった知恵を共有する趣旨の問いであろうと推察しました。
従ってつづく内容は、この質問の趣旨からはやや外れたものになってしまいます。
ただ敢えて困りごとへの解決法として筆者の印象を述べるなら、それは連絡を取りあい、可能なら駆けつけ、知恵と(筋・労)力を出し合って解決していく姿でした。
先輩方からの声にも「相談しながらすすめる」「自身で解決可能と判断した場合は自己犠牲により解決できたこともある」とあるように、なにか起きた場合は現場の者であれこれ試行錯誤しながら聞いて駆けつけた者とすぐに相談が始まります。
このような場面をなんどとなく見てきました。
そのたびに想起することばが「依存的自立」でした。
これは社会福祉の世界でよく使われるキーワードです。
多くの場合「自立」という語は「他人の助けなしに自分ひとりの力だけでものごとを行う」というイメージが強いですが、当営農でみた姿は皆が自分の解決法の引き出しから試行錯誤で解決を図りつつも、同時に早い段階でヘルプを発する姿でもありました。
「頼り上手」という印象でした。
社会福祉の世界にはまた「自立とは依存先を増やすこと」という考え方があります。
それは、自立を支えている対象、すなわち寄りかかれるモノ・ひと・場があるからこそはじめて自ら立っていられる、という考え方で「依存的自立」という語で社会福祉では基本的概念となっています。
作業の大変さを分かっているからこそ共感的に理解して助け合う、互助がベースとなって作業が進んでいく。困りごとを解決していく。そんな姿が見られました。
記:西山営農舎 T様 (滋賀県長浜市)










